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フォトクロミック・ガスクロミック材料

研究概要

 フォトクロミック材料は、光を照射・遮断することで材料の色が可逆的に変化します。この特性を利用して、夏と冬で室内に入射する太陽光を制御するスマートウインドウや光メモリー・ディスプレイ材料を設計できます。
 ガスクロミック材料は、水素ガスなどの活性ガスの存在によって、同様に材料の色が可逆的に変化します。人体内では、体調不良の際に水素ガスや硫化水素ガスが発生するため、このようなガスセンサーを用いて、ヘルスケアに応用することが出来ます。
 以下にWO₃ベース材料のフォトクロミズムの概要を記載します。光を照射した部分だけ青くなっています(図右)、光が照射されなくなると透明(図左)に戻ります。WO₃は、樹脂や白金などと複合化することで、光センサやガスセンサとして作動します。

サーモクロミック材料

 電荷をためることが出来るコンデンサ(キャパシタ)は、スマートフォンやPCをはじめとした様々な電子機器に使用されています。コンデンサの誘電材料として、チタン酸バリウムや酸化タンタルなどが広く使用されています。新規な誘電体チタン酸バリウムBaTi2O5の合成や焼結、その他誘電体材料の材料設計を行っています

蛍光・蓄光材料

 蛍光材料は光や電界など外部からのエネルギーにより発光する物質です。蛍光灯やLEDなど、身の回りで多く使用されています。作製したSrSi₂N₂O₂黄色蛍光体に紫外線(波長365nm)を照射した際の発光を以下に示します。このような蛍光体や樹脂に直接希土類元素を添加する蛍光体を合成

放射冷却材料

 絶対零度でない物質は、電磁波の放出がおこります。冬の晴天の夜間では、地表面から放出される電磁波は大気で吸収されずに宇宙まで到達するため、地表面はどんどん冷却されます。この現象は放射冷却と呼ばれます。放射冷却現象を夏場でも利用することで、物体を常に冷却することが出来るようになります。酸窒化ケイ素は放射冷却能が高く、この材料を用いて放射冷却デバイスの設計を行っています。金属表面への放射冷却材料のコーティング(車やプラント等の冷却を想定)や樹脂への複合化(塗料による冷却を想定)などで、『無電力で』周囲温度よりも低い温度を実現しています。

放射冷却画像(高解像度).png

透過率角度依存性膜

 透明な膜中に、針状の粒子を膜表面に配列させると、膜をみる角度によって透過率が変化します。この性質を利用して、夏と冬で室内に入射する日光を調節したり、見る角度によって画面を遮蔽するプライバシーフィルムを設計できます。

​その他の研究(紹介スライド)

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